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映画『シン・ゴジラ』を見ての感想

 ギャレスエドワーズ監督版ゴジラの世界的な大ヒットにより、ゴジラの生まれ故郷の日本でも、また新たにゴジラ映画を作ろうという気運が高まり、実にファイナルウオーズから12年もの月日が経った今年の夏、ついに公開された。それが『シン・ゴジラ』だ。総監督、脚本にエヴァンゲリオンの庵野秀明。監督、特撮監督に進撃の巨人の樋口真嗣。主演、長谷川博己、ゴジラの中の人役に野村萬斎、他にもゴジラ久々の新作とだけあって、豪華な布陣。ゴジラと言えば誰もが予想がつくストーリーになるので、あとはどう魅せるのかが問題となる。

 謎の無人船探索から、いきなり近海で熱泉が吹き上がる。それから政治家に扮した長谷川博己らが早口であれは何だとの議論が沸き上がる。政治家たちが喧々囂々と小難しいような会議を行っても、現実的には遅々として問題解決にいたっていないところが現実感を持たせる。女子供お断り。この開き直りっぷりに期待が高まる。そうこうしているうちに、のっこのっこと、謎の生物が姿を現し、上陸まで許してしまう。この辺は机上の空論ばかりの政治家たちへの皮肉たっぷりでいい。現場で作業をするでもないのに作業着へ着替えて庶民アピールをするだけの政治家たち。進化するゴジラも面白い。フルCGらしいが、着ぐるみ感がある。関係者らにいうと、「あえてやってるんだよ」という、めんどくさい返事が予想されるのでこれ以上は問わない。キャストを見れば分かるが、ほとんど演出がエヴァンゲリオンと同じ。音楽までエヴァと同じ。いたるところで、このコラボが強調されてるキャンペーンを張っているので、いた仕方なしか。初めて火炎放射を吐くシーンは、ゴジラ史上、随一のカッコ良さ。まんま巨神兵だけど。

 だが、良かったのはそこらへんくらいまでで、後半急速に失速する。ゴジラの遺伝子を解析して弱点を見つけ出すという展開は、まあ良しとする。それを元に作られた血液凝固剤を大量生産するというもの、ちょっと開発期間早すぎな気もするがよしとする。問題は、その血液凝固剤をゴジラに注入するシーン。生コン車で自衛隊が突入して、それを口の中に入れるという荒わざ。いくらなんでもマンガ的過ぎるだろうよ・・・。

 しかもその生コン車が放水車のようにノズルを真横にして薬剤を噴き出して、しかもその薬剤が少しもこぼれることもなく全量ゴジラの口の中に納まっていく違和感。その作戦がうまくいき、ゴジラを人間が抑え込めることに成功して、めでたしめでたし。なんだそりゃ。ゴジラが通った後は津波の被害のように、ゴジラそのものは原子炉を表現しているんだろうが、福島第一原発を見れば分かるが、いまだに終息させられていないじゃないか。原発のコントロールどころか、今も放射線量が多すぎて人間も機械も近づけてさえいないのが現状だろう。希望的観測というのもあるだろうが、ゴジラが神の化身というのなら、人間がゴジラに勝って終わりじゃダメなはず。人間が抑え込められるゴジラはゴジラじゃない。

 ストーリー的にも、この最初の生コン車作戦は失敗するところだろう。それからなんらかの解決策が見つかって今度こそ成功というのがお約束。なんらかの解決策というのは、エヴァンゲリオンでいうところの”暴走”のこと。さすがに自衛隊は暴走させられないから、ベタベタではあるが、石原さとみが「実はこんなこともあろうかと・・・」といってアメリカでも独自に血液凝固剤を製造していて核兵器と一緒に運んでいるという展開にして、「次で終わらせなかったら核を使うわよ」みたいなセリフを言わせておけば、希薄な人間パートに物語も生まれるし、日米の絆みたいなものも書けて物語に深みが出たはず。おまけに、僕は、てっきりゴジラのかみ合わせが悪いというのが伏線で・・・、まあ長くなるのでやめておく。庵野秀明監督なので、エヴァと同じで伏線回収しない俺カッケーをやっているんだろう。まさに中二病ならぬ、大二病。ちなみに、僕はエヴァンゲリオンが大好きです。

 ゴジラという作品が復活するというだけで、これだけ熱くなってしまうのは、やはり日本人にとって特別な作品なのだろう。正直なところ、僕はゴジラシリーズをあまり多くは見ていないが、ゴジラは神の化身、言い換えれば地球を現していると思っている。地球は時に大災害をもたらすが、普段は自然の恵みを与えてくれる存在でもある。人間の生み出した放射能で怒り狂うときもあれば、人間の味方にも悪にもなる。そんな存在。ならば、ギャレスエドワーズ監督版ゴジラの方がうまかった。映像のクオリティも邦画のCGとは格が違う。今回のゴジラは子供だましならぬ、オタクだまし。まあ、お祭り感はあるので見れば楽しいっちゃ楽しい。ついでに、スマホゲームのモンスターストライクともコラボしているので、みんなにたくさんガチャ回してもらえるといいですね。

『シン・ゴジラ』
総評★★★☆☆
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